一種ざらつくような感じを残しながらすべるという不思議な感触が、のど越しの快さこそ蕎麦ならではのもので、そば好きの方にはこたえられないものです。
そばののど越しの快さは、感触だけから生じてくるものではなく、あわせて蕎麦の旨さが決定的に働いていると云えます。
大げさに表現すれば「口の中のぬめりや汚れをこそぎ落してくれるような爽快感」このすがすがしさ
例えば、蕎麦の汁にドップリ浸けて、もっとすごい人になると汁の中でそばをかき回している人もいらっしゃいます。
食べ方の流儀は人それぞれ、好き好きですから咎めることもないわけですが、そのような食べ方ですと汁の味ばかりが勝ってしまい肝心の蕎麦の本来の味の方が定かでなくなってしまいます。
そば本来の味わいは、意外なほど甘みがあることなども楽しんで頂きたいと思います。
1.そばつゆが徳利で出されるのには意味があります。一度に蕎麦猪口に注ぐのではなく、何回かに分けて注ぐことが出来るようにとの拝領です。
2.そばをせいろから取るときに箸で大づかみせず、数本(5~6本)を軽くつまんで、その端を少しだけ汁に付け、そばは箸から放さないですぐに引き上げ音を立ててするするとすすり込む。落語家の身振りなど参考になります。
3.山葵は、汁に溶いてしまわず、そばの合間に微量を舌先に乗せ口直しとして使います。
このような食べ方をすると、せいろ一枚の最後までそばそのものの味も、汁がからんだ状態の味も共々ずつ楽しむことができます。
粋な食べ方が、おいしい食べ方になるわけです。女性の方も大きな音を立てて、ご遠慮なく味わって頂きたいものです。
今までは手で石臼を挽いておりましたが、毎日20人前を挽くのがやっとのことでした。この石臼のおかげで、より多くの方々にご提供できるようになりました。
この石臼はゆっくり・のんびりと挽いております。
人間よりもセッカチではないかもしれません。
このそば粉で田舎蕎麦を打っております。
挽きたての味わいをお楽しみください。